第26話 『過去への執着』 [タスキ小説~恋のらいばる~]
もみ合うナシモンさんと元彼、そしてそこに加わる千里ちゃん。
ナシモンさんと同時に飛び込んでは、見たものの
俺はその成り行きをただ、見ていることしか出来なかった。
未来へと向かおうとせず、過去に拘り続けるそんな若い二人に
湧き上がった感情は、紛れも無く怒りだった。
俺は、感情を出来る限り殺し、誰にとも無く語りかけた。
「過去に執着して、こだわり続け、囚われ続け、今を生きるって
事は、今生きている、この瞬間まで壊してしまっているんじゃ無いのかい、
誰だって、失敗はするし、弱さはある。後悔しながら生きていたってしょうがないと思うよ。
人として、人間として、生きていくのに反省は必要だけど、
後悔しながら生きていくなんて、虚しい人生じゃないか?
反省は、未来へ進むのに必要だけど、後悔っていうのは、
過去に自分を置いて来てしまうんだよ。反省しながらで良いんだ、
先に進まなきゃ人生はつまらんでしょ。」
そこまで言って、俺は休憩所を出て店内の仕事に戻った。
その後、元彼は友達に連れられ店から去った。
ナシモンさんと千里ちゃんも店内に戻り、表面上は、いつものつぼ九へと戻ったのだった。
ナシモンさんと同時に飛び込んでは、見たものの
俺はその成り行きをただ、見ていることしか出来なかった。
未来へと向かおうとせず、過去に拘り続けるそんな若い二人に
湧き上がった感情は、紛れも無く怒りだった。
俺は、感情を出来る限り殺し、誰にとも無く語りかけた。
「過去に執着して、こだわり続け、囚われ続け、今を生きるって
事は、今生きている、この瞬間まで壊してしまっているんじゃ無いのかい、
誰だって、失敗はするし、弱さはある。後悔しながら生きていたってしょうがないと思うよ。
人として、人間として、生きていくのに反省は必要だけど、
後悔しながら生きていくなんて、虚しい人生じゃないか?
反省は、未来へ進むのに必要だけど、後悔っていうのは、
過去に自分を置いて来てしまうんだよ。反省しながらで良いんだ、
先に進まなきゃ人生はつまらんでしょ。」
そこまで言って、俺は休憩所を出て店内の仕事に戻った。
その後、元彼は友達に連れられ店から去った。
ナシモンさんと千里ちゃんも店内に戻り、表面上は、いつものつぼ九へと戻ったのだった。
2009-10-10 19:06
第25話 「 依存する女 」 [タスキ小説~恋のらいばる~]
「同情した俺がバカだったよ! そこに愛はあるのか?」
同じ一人の男として、千里に暴力を振るった元カレを、
俺は許す事が出来なかった。
いかなる場合でも、店の従業員がお客様に手を挙げるなど、
あってはならない事だろう。
だが、その光景を黙って見ていられる訳もなく、
俺は元カレに対し、思い切り殴りかかった。
もみくしゃになりながらも、男の意地と意地とがぶつかり合う。
しかし、そこに割って入ってきたのは千里であった。
「もう止めて! 元はといえば全部私が悪いの!」
暴力を振るわれてもなお、元カレをかばおうとする千里。
「なぜそこまで自分を追込むんだ! いい加減目を覚ませよ!」
2人の恋はとっくに終わりを告げているにも関わらず、
ダメな男に依存する千里に対しても、俺は我慢出来なかった。
なぜなら同じような過去を、俺自身も経験していたのである。
ここで引き下がったら、また振り出しに戻ってしまう。
すると、その状況を見守っていたダイスケが、ついに動き出した。
同じ一人の男として、千里に暴力を振るった元カレを、
俺は許す事が出来なかった。
いかなる場合でも、店の従業員がお客様に手を挙げるなど、
あってはならない事だろう。
だが、その光景を黙って見ていられる訳もなく、
俺は元カレに対し、思い切り殴りかかった。
もみくしゃになりながらも、男の意地と意地とがぶつかり合う。
しかし、そこに割って入ってきたのは千里であった。
「もう止めて! 元はといえば全部私が悪いの!」
暴力を振るわれてもなお、元カレをかばおうとする千里。
「なぜそこまで自分を追込むんだ! いい加減目を覚ませよ!」
2人の恋はとっくに終わりを告げているにも関わらず、
ダメな男に依存する千里に対しても、俺は我慢出来なかった。
なぜなら同じような過去を、俺自身も経験していたのである。
ここで引き下がったら、また振り出しに戻ってしまう。
すると、その状況を見守っていたダイスケが、ついに動き出した。
2009-10-03 20:07
第24話 『誤算』 [タスキ小説~恋のらいばる~]
店の仕事もあるし・・・と、厨房を心配顔で見ていると
つぼ九アルバイト店員みんなのお母さん的存在、徳さんが
「ここは任せて行ってきな!」と、
俺の背中をバチーんと平手で叩いた。
こんなおばちゃんのどこに潜んでいたのかわからない
パワフル過ぎる平手打ちに後押しされて、俺は休憩室に向かった。
休憩室の前には、ナシモンさんと京子ちゃんが深刻な表情で
立っていた。無言の状態が少し続いた後・・・。
京子ちゃんが千里の過去を話し始めた。
京子ちゃんの話によると千里と元彼、二人が知り合ったのは、
バイト先で京子ちゃんも一緒に働いていとの事、
京子ちゃんは余り評判の良くなかった元彼と、
付き合うという千里を必死で止めたらしい。
結局、二人は付き合ったが
京子ちゃんの悪い予想通りに、二人は半年ほど付き合って別れたとの事だった。
最大の原因は酒癖の悪さであって、酔うと暴力的になるというのだ。
そこまで聞いたところで、俺とナシモンさんは、顔を見合わせた・・マズい!
そう思った瞬間、休憩室からガシャーンと物凄い音が!
俺とナシモンさんは、休憩室に飛び込んだ!
つぼ九アルバイト店員みんなのお母さん的存在、徳さんが
「ここは任せて行ってきな!」と、
俺の背中をバチーんと平手で叩いた。
こんなおばちゃんのどこに潜んでいたのかわからない
パワフル過ぎる平手打ちに後押しされて、俺は休憩室に向かった。
休憩室の前には、ナシモンさんと京子ちゃんが深刻な表情で
立っていた。無言の状態が少し続いた後・・・。
京子ちゃんが千里の過去を話し始めた。
京子ちゃんの話によると千里と元彼、二人が知り合ったのは、
バイト先で京子ちゃんも一緒に働いていとの事、
京子ちゃんは余り評判の良くなかった元彼と、
付き合うという千里を必死で止めたらしい。
結局、二人は付き合ったが
京子ちゃんの悪い予想通りに、二人は半年ほど付き合って別れたとの事だった。
最大の原因は酒癖の悪さであって、酔うと暴力的になるというのだ。
そこまで聞いたところで、俺とナシモンさんは、顔を見合わせた・・マズい!
そう思った瞬間、休憩室からガシャーンと物凄い音が!
俺とナシモンさんは、休憩室に飛び込んだ!
2009-09-26 18:57
第23話 「 豹変する彼 」 [タスキ小説~恋のらいばる~]
千里に会わせろと怒鳴り声を上げる元カレに対し、
一時は衝突寸前の俺ではあったが、
ダイスケが持ってきてくれた特製びっくりセブンに救われた訳で。
通常の2倍以上の激辛ハバネロにノックアウトした元カレは、
さっきまでの勢いが嘘のように豹変。
「頼む、あいつに会わせてくれ~。もう来ないって約束するから~。」
仲間やお客さん達が見ているにも関わらず、泣き崩れる元カレ。
1年前に何があったか知らないが、
このままではお互いにとっても煮えきらない状態だろう。
俺は意を決して元カレの手を取り、厨房裏の休憩所へ向かう事に。
そこには、明らかに怯えた千里と京子がいた。
「いいか千里、もう逃げたって何も始まらないんだ。」
少し強引かも知れないが、その場に元カレと千里の2人を残し、
俺と京子は休憩所の外へと出た。
とは言っても中の状況が気になる気になる。
すると、ダイスケがそわそわしながら登場。
そしてついに、京子の口から千里の過去が明かされたのである。
一時は衝突寸前の俺ではあったが、
ダイスケが持ってきてくれた特製びっくりセブンに救われた訳で。
通常の2倍以上の激辛ハバネロにノックアウトした元カレは、
さっきまでの勢いが嘘のように豹変。
「頼む、あいつに会わせてくれ~。もう来ないって約束するから~。」
仲間やお客さん達が見ているにも関わらず、泣き崩れる元カレ。
1年前に何があったか知らないが、
このままではお互いにとっても煮えきらない状態だろう。
俺は意を決して元カレの手を取り、厨房裏の休憩所へ向かう事に。
そこには、明らかに怯えた千里と京子がいた。
「いいか千里、もう逃げたって何も始まらないんだ。」
少し強引かも知れないが、その場に元カレと千里の2人を残し、
俺と京子は休憩所の外へと出た。
とは言っても中の状況が気になる気になる。
すると、ダイスケがそわそわしながら登場。
そしてついに、京子の口から千里の過去が明かされたのである。
2009-09-19 21:01
第22話「脅威のベロ」 [タスキ小説~恋のらいばる~]
休憩室の隅で、仮眠をしていた俺が、大きな音に驚いて目を
開けると、休憩室にはしゃがみ込んでいる千里ちゃんと
京子ちゃんが居た。
京子ちゃんに事情を聞きすぐに店内へと
向かったのだった。
店内では、千里ちゃんの元彼とナシモンさんが向かい合っていたので、
これはイカンと何かこの場を乗り切る策を考えた…。
ある考えを思いついた俺は、厨房へと戻り、
特製ビックリセブンを持って、ナシモンさんと元彼の間に割って入った。
「他のお客さんも居ますから、こういうのはどうでしょう?
この名物ビックリセブンで、激辛を食べた人は、
言う事を聞かなければいけないというのは?どうですか?みなさん!」
事の成り行きを見守って居たほかの客も巻き込み、引くに引けない
空気を作り出した。
しぶしぶ了解した、元彼とナシモンさん、俺が
それぞれ、ビックリセブンを食べた。その辛さにのた打ち回る
元彼、実は、全部のたこ焼きを激辛にしていたのだ。
開発の時、毎日激辛を食べていた為に、ナシモン&ダイスケコンビは、
激辛の刺激にはびくともしない脅威のベロを持っていたのだ。
開けると、休憩室にはしゃがみ込んでいる千里ちゃんと
京子ちゃんが居た。
京子ちゃんに事情を聞きすぐに店内へと
向かったのだった。
店内では、千里ちゃんの元彼とナシモンさんが向かい合っていたので、
これはイカンと何かこの場を乗り切る策を考えた…。
ある考えを思いついた俺は、厨房へと戻り、
特製ビックリセブンを持って、ナシモンさんと元彼の間に割って入った。
「他のお客さんも居ますから、こういうのはどうでしょう?
この名物ビックリセブンで、激辛を食べた人は、
言う事を聞かなければいけないというのは?どうですか?みなさん!」
事の成り行きを見守って居たほかの客も巻き込み、引くに引けない
空気を作り出した。
しぶしぶ了解した、元彼とナシモンさん、俺が
それぞれ、ビックリセブンを食べた。その辛さにのた打ち回る
元彼、実は、全部のたこ焼きを激辛にしていたのだ。
開発の時、毎日激辛を食べていた為に、ナシモン&ダイスケコンビは、
激辛の刺激にはびくともしない脅威のベロを持っていたのだ。
2009-09-12 19:19
第21話 「 招かれざる客 」 [タスキ小説~恋のらいばる~]
当店の人気商品【びっくり!セブン】もおかげ様で大好評。
日焼けの痕も落ち着きをみせ、ねじりハチマキで厨房に立てこもる俺ナシモン。
本日もお客様に喜んでもらう為、びっくりする具材を生地の中へと投入していく。
そんな中、無言で厨房を通り過ぎていく千里。
彼女の表情を見れば、何か問題があった事は明らかである。
すると、その後を追うように京子が慌てて厨房に入ってきた。
「ナシモンさん、大変です! 千里の元カレが~。」
なっ、なんと、千里が去年別れたっていう元彼氏がご来店?
偶然なのか必然なのかは定かではないが、
奥のテーブル席で友達らしき仲間3人と盛り上がっている。
気に食わないとすぐに仕事を辞め、酒癖も悪いと聞いているだけに、
お客さんとしても慎重な対応が必要である。
しかも、千里がその場を立ち去るからには、何か訳があったに違いない。
その時、「ガシャーン」と大きな音と共に、怒鳴り声が響きだした。
俺はとっさにねじりハチマキをはずし、フロアへと向かうのであった。
日焼けの痕も落ち着きをみせ、ねじりハチマキで厨房に立てこもる俺ナシモン。
本日もお客様に喜んでもらう為、びっくりする具材を生地の中へと投入していく。
そんな中、無言で厨房を通り過ぎていく千里。
彼女の表情を見れば、何か問題があった事は明らかである。
すると、その後を追うように京子が慌てて厨房に入ってきた。
「ナシモンさん、大変です! 千里の元カレが~。」
なっ、なんと、千里が去年別れたっていう元彼氏がご来店?
偶然なのか必然なのかは定かではないが、
奥のテーブル席で友達らしき仲間3人と盛り上がっている。
気に食わないとすぐに仕事を辞め、酒癖も悪いと聞いているだけに、
お客さんとしても慎重な対応が必要である。
しかも、千里がその場を立ち去るからには、何か訳があったに違いない。
その時、「ガシャーン」と大きな音と共に、怒鳴り声が響きだした。
俺はとっさにねじりハチマキをはずし、フロアへと向かうのであった。
2009-09-05 20:06
第二十話「あの主題歌」 [タスキ小説~恋のらいばる~]
4人が車にたどり着いた時には、あたりは少し薄暗くなっていた。
帰り道にご飯を食べて帰る予定だったが千里ちゃんの足の腫れが
少し酷くなってきた事もありまっすぐ帰ろうという事になった。
朝は、駅前集合だったが、千里ちゃんは歩くのが大変だろう
という事で、俺が車で自宅まで送ることにした。
ナシモンさんと京子ちゃんを駅前で降ろし千里ちゃんの家に
向かった。その道すがらにあった薬局により
シップと包帯を買い、千里ちゃんの手当てをした。
もちろん、千里ちゃんの足の具合は心配なのだけれど
二人っきりで帰るシュチュエーションは何だか嬉しかった。
千里ちゃんの家に着くまで、今までは話したことの無い
子供の頃の話や、学生時代の話、音楽の話、家族の話など
好きなもの、嫌いなもの色々な話をした。
楽しい時間は、本当に早く過ぎてしまうもので、あっという間に
千里ちゃんの家に着いてしまった。玄関まで千里ちゃんを送り届け
車に乗り込み走り出した。
カーラジオから、アニメスラムダンクの主題歌が流れていた。
帰り道にご飯を食べて帰る予定だったが千里ちゃんの足の腫れが
少し酷くなってきた事もありまっすぐ帰ろうという事になった。
朝は、駅前集合だったが、千里ちゃんは歩くのが大変だろう
という事で、俺が車で自宅まで送ることにした。
ナシモンさんと京子ちゃんを駅前で降ろし千里ちゃんの家に
向かった。その道すがらにあった薬局により
シップと包帯を買い、千里ちゃんの手当てをした。
もちろん、千里ちゃんの足の具合は心配なのだけれど
二人っきりで帰るシュチュエーションは何だか嬉しかった。
千里ちゃんの家に着くまで、今までは話したことの無い
子供の頃の話や、学生時代の話、音楽の話、家族の話など
好きなもの、嫌いなもの色々な話をした。
楽しい時間は、本当に早く過ぎてしまうもので、あっという間に
千里ちゃんの家に着いてしまった。玄関まで千里ちゃんを送り届け
車に乗り込み走り出した。
カーラジオから、アニメスラムダンクの主題歌が流れていた。
2009-08-22 19:14
第19話 「 大丈夫? 」 [タスキ小説~恋のらいばる~]
カンカンと照りつける太陽の下、
ようやく戻ってきたダイスケと千里。
すっかり丸焦げになった俺と京子に、
買ってきたカキ氷のカップを差出すダイスケ。
「なんじゃこりゃ~! 溶けちゃってますけど~。」
買出しに行ってくれたは良いが、この穴場のビーチまでの道のりを考えれば、
そりゃあ~当然である。
4人はほぼ同時に笑い出し、再び海に向かい走り出した。
まさに、男女4人夏物語といったところだろう。
最高のロケーションの中、テンションは最高潮に達し、
気が付けばもう夕方の5時。
荷物をまとめ、岩場をよじ登って帰ろうとしたその時、
千里が足を滑らせ転倒。
急いで駆け寄ると、どうやら足首をひねってしまったらしい。
俺は無意識に彼女の手を取り、背中にしょい上げたのだ。
「ちょっと先輩! 大丈夫ですよ~。」
痛がる仕草を見せながらも強がる千里。
「大丈夫だぁ~! 恥ずかしがるなって。」
少し強引ではあったが、彼女は素直に身を任せてくれたのであった。
ようやく戻ってきたダイスケと千里。
すっかり丸焦げになった俺と京子に、
買ってきたカキ氷のカップを差出すダイスケ。
「なんじゃこりゃ~! 溶けちゃってますけど~。」
買出しに行ってくれたは良いが、この穴場のビーチまでの道のりを考えれば、
そりゃあ~当然である。
4人はほぼ同時に笑い出し、再び海に向かい走り出した。
まさに、男女4人夏物語といったところだろう。
最高のロケーションの中、テンションは最高潮に達し、
気が付けばもう夕方の5時。
荷物をまとめ、岩場をよじ登って帰ろうとしたその時、
千里が足を滑らせ転倒。
急いで駆け寄ると、どうやら足首をひねってしまったらしい。
俺は無意識に彼女の手を取り、背中にしょい上げたのだ。
「ちょっと先輩! 大丈夫ですよ~。」
痛がる仕草を見せながらも強がる千里。
「大丈夫だぁ~! 恥ずかしがるなって。」
少し強引ではあったが、彼女は素直に身を任せてくれたのであった。
2009-08-15 19:56
第18話 「ノスタルジック夏の午後」 [タスキ小説~恋のらいばる~]
ビーチに、ナシモンさんと京子ちゃんの二人を残し
俺ダイスケと千里ちゃんは、カキ氷を買いに
近くのなんだか懐かしい感じのするそれこそ、「商店」という言葉が
ぴったりな店にたどり着いた。
店の中には、そうそう、こういう店には居て欲しいと思う。
おばあちゃんが座布団に座って店番をしていた。
「いらっしゃい」の響きになんだか、懐かしいノスタルジックを感じて、
狭い店の中をぐるぐると見て回った。
その間、千里ちゃんは俺の「うわー!懐かしい」とか「昔これ食べまくったんだよ」なんて
話に、時折笑い声を上げながら、ずっと着いて来てくれていた。
駄菓子コーナーで懐かしいお菓子をお土産にしようと、二人で選びアイスのケースから
カキ氷のカップを4つ抱えて、「なんだか、ちょっとしたデートみたいだなぁ」
なんて事を思っていた、ちょうどそんなタイミングで
お店のおばあちゃんが「恋人同士仲良くていいね、私も若い頃は・・」なんて話を
始めてしまったものだから、反射的に「ち・違うんですよ」と答えて
千里ちゃんの方を向くと、千里ちゃんも笑ってはいたが、
なんだか寂しそうな表情をしている様に俺には思えたのだった・・・。
俺ダイスケと千里ちゃんは、カキ氷を買いに
近くのなんだか懐かしい感じのするそれこそ、「商店」という言葉が
ぴったりな店にたどり着いた。
店の中には、そうそう、こういう店には居て欲しいと思う。
おばあちゃんが座布団に座って店番をしていた。
「いらっしゃい」の響きになんだか、懐かしいノスタルジックを感じて、
狭い店の中をぐるぐると見て回った。
その間、千里ちゃんは俺の「うわー!懐かしい」とか「昔これ食べまくったんだよ」なんて
話に、時折笑い声を上げながら、ずっと着いて来てくれていた。
駄菓子コーナーで懐かしいお菓子をお土産にしようと、二人で選びアイスのケースから
カキ氷のカップを4つ抱えて、「なんだか、ちょっとしたデートみたいだなぁ」
なんて事を思っていた、ちょうどそんなタイミングで
お店のおばあちゃんが「恋人同士仲良くていいね、私も若い頃は・・」なんて話を
始めてしまったものだから、反射的に「ち・違うんですよ」と答えて
千里ちゃんの方を向くと、千里ちゃんも笑ってはいたが、
なんだか寂しそうな表情をしている様に俺には思えたのだった・・・。
2009-08-04 23:00
第17話 「 恋愛エピソード 」 [タスキ小説~恋のらいばる~]
店長が教えてくれた穴場のビーチで、夏を満喫する4人。
のはずだったが、買出しに向かったダイスケと千里が、未だに帰ってこない。
波打ち際で一人はしゃいでいる俺に対し、浜辺に寝そべって日光浴をたしなむ京子。
おっとりとした性格の彼女だが、実は【つぼ九】最初のアルバイト店員である。
職場では【キョンキョン】と呼ばれ、今回、千里を海に誘った際、
一目散に名前が挙がるほど、千里にとっても姉の様な存在なのだ。
少々疲れた俺は、京子の隣へ行き、一緒に日光浴をする事に。
すると、ナイスバディを見せつけながら京子が大胆発言!
「ナシモンさんって、千里の事どう思います?」
いきなりの問いに言葉を濁す俺。
「いや~、あの、元気があって可愛いし、イイんじゃない。」
動揺する俺を見て京子は、千里の恋愛エピソードを話し始めた。
要するに、去年別れた彼氏の事が忘れられず、恋に臆病になっているという千里。
どうにかしてあげたいという思いが、俺の心の中で、芽生えてきたのである。
のはずだったが、買出しに向かったダイスケと千里が、未だに帰ってこない。
波打ち際で一人はしゃいでいる俺に対し、浜辺に寝そべって日光浴をたしなむ京子。
おっとりとした性格の彼女だが、実は【つぼ九】最初のアルバイト店員である。
職場では【キョンキョン】と呼ばれ、今回、千里を海に誘った際、
一目散に名前が挙がるほど、千里にとっても姉の様な存在なのだ。
少々疲れた俺は、京子の隣へ行き、一緒に日光浴をする事に。
すると、ナイスバディを見せつけながら京子が大胆発言!
「ナシモンさんって、千里の事どう思います?」
いきなりの問いに言葉を濁す俺。
「いや~、あの、元気があって可愛いし、イイんじゃない。」
動揺する俺を見て京子は、千里の恋愛エピソードを話し始めた。
要するに、去年別れた彼氏の事が忘れられず、恋に臆病になっているという千里。
どうにかしてあげたいという思いが、俺の心の中で、芽生えてきたのである。
2009-08-01 19:44