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第13話 「 笑顔 」 [タスキ小説~恋のらいばる~]

「皆さんは、この店のやり方に不満とかありますか?」

少し興奮気味に俺は、スタッフのみんなに問いかけた。

確かに、キャンペーン実施中のライバル店の出現は、
つぼ九にとっても痛手である事は言うまでも無い。
だからと言って、お客様にくつろいで頂く為のサービスや笑顔を失ってしまえば、
本末転倒である。
短い時間であったが、俺は不器用ながらもその思いをみんなにぶつけた。

すると、一人の先輩スタッフが声を張り上げた。

「だからって、作り笑顔しろって言うのかよ!」

しばしの沈黙と共に、やり切れない思いがスタッフを包み込んだ、、、

そんな重い空気を差し置いて、俺は厨房へ向かい、
1つの料理をみんなに差し出した。

「え~、このタコ焼きを、みんなで食べませんか?」

スタッフ一堂、困惑した状態であったが、次第にそのタコ焼きに手を付け始めた。
すると、ダイスケの表情が一気に豹変した。

「ふわぁ~、ふわぁ~! 何ですかこれ~?」

そのリアクションがキッカケになり、スタッフ一堂、笑顔を取り戻したのである。

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